Youth Entrepreneur Initiatives × Vancouver Startup Visits
日本カナダ商工会議所(JCCOC)は、2026年7月30日から8月11日にかけて実施された「Youth Entrepreneur Initiatives」のプログラムに協力し、日本の中学生・高校生を中心とする次世代の起業家たちと、バンクーバーのスタートアップ企業をつなぐ機会を創出しました。
今回の取り組みは、**「グローバルな視点で新しいビジネス機会へ挑戦する若い起業家・スタートアップ企業を、日本とカナダでつなぐ」**という日本カナダ商工会議所の活動方針に沿ったものです。
■ Youth Entrepreneur Initiativesとは
今回のプログラムには、日本各地およびカナダ・トロントから計24名の参加者が集まり、7月29日から8月11日までの14日間、実践的な起業家教育が行われました。
プログラムでは、英語による起業ピッチのトレーニングをはじめ、日本の商品をカナダ市場で展開するためのマーケティングアイデアの検討、米国シアトルのビッグテック企業訪問、バンクーバーのスタートアップ企業訪問、さらにSFUのベンチャーラボ訪問など、現地での実体験を重視した学びが行われました。
日本カナダ商工会議所は、このプログラムの中で、バンクーバーのスタートアップ企業との訪問・交流機会の調整および当日の同行を担当しました。
今回訪問したのは、North Vancouverに拠点を置く Coconama Chocolate と、バンクーバー発のサーキュラーエコノミー企業 ChopValue の2社です。
■ Coconama Chocolate訪問
「なぜ日本ではなく、バンクーバーで起業したのか」
7月30日、参加者はNorth VancouverにあるCoconama Chocolateを訪問しました。
Coconama Chocolateは、日本人夫妻が経営する生チョコレート工房で、天然素材による色付けやグルテンフリー、ナッツフリーなど、独自のこだわりを持つ商品を展開しています。また、カカオ豆をローストし、すりつぶすところからチョコレート作りを体験できるワークショップも行っています。
今回の訪問では、創業者から、大学院卒業後に大手製菓会社の研究開発部門で経験を積み、その後、よりお客様に近いところで仕事をしたいという思いから独立を選んだ経緯についてお話を伺いました。
特に学生たちの関心を集めたのが、「なぜ日本ではなく、バンクーバーで起業したのか」というテーマです。
日本とは異なる市場環境の中で、新しい商品やサービスに挑戦し、カナダならではの市場を開拓していく創業者の姿は、これから社会へ羽ばたく学生たちにとって、起業をより身近なものとして考えるきっかけとなりました。
また、カカオ豆の価格高騰など市場環境の変化に対して、どのように商品開発やブランディングを考えているのかについても学び、単なる「会社見学」にとどまらない、実際のビジネスを考える機会となりました。
■ ChopValue訪問
身近な「割り箸」が、世界へ広がるビジネスに
8月6日には、バンクーバー発のスタートアップ企業、ChopValue本社を訪問しました。
ChopValueは、使用済みの割り箸などを再生木材として活用し、アップサイクル製品を開発・製造する企業です。バンクーバーを拠点に、独自ブランドの製品を北米、欧州、アジア、中東など世界各地へ展開し、サーキュラーエコノミーの実現を目指しています。
訪問では、会社概要の説明に続いて製造ラボを見学し、その後、質疑応答・意見交換を行いました。
学生たちにとって特に印象的だったのは、日本人にとって非常に身近な「割り箸」という素材が、新たな価値を持つ製品へと生まれ変わり、バンクーバーから世界市場へ展開されていることでした。
「身近にあるものを別の視点から見つめ直すことで、新しいビジネスが生まれる」。
ChopValueのビジネスモデルは、サステナビリティや環境問題だけでなく、起業家にとって重要な「課題発見」「価値創造」「グローバル展開」という視点を、学生たちに分かりやすく伝えるものとなりました。
質疑応答では、学生一人ひとりが積極的に質問し、ChopValueの皆様から丁寧に回答をいただきました。
■ 「見る」だけではなく、「自分ならどうするか」を考える
今回の2社への訪問には共通するテーマがあります。
それは、「日本とは異なる環境だからこそ生まれるビジネスの可能性」です。
Coconama Chocolateでは、日本で培った経験を生かしながら、バンクーバーという新しい市場で挑戦する起業家の姿を学びました。
ChopValueでは、日本人にとって身近な素材である割り箸に新しい価値を与え、環境問題への取り組みをビジネスとして成立させ、世界市場へ展開する姿を目の当たりにしました。
こうした現場での体験を通じて、学生たちは「起業とは特別な人だけがするもの」ではなく、身近な課題やアイデアから新しい価値を生み出し、それを世界へ届けていく挑戦であることを実感する機会となりました。
今回のプログラムの目的である、起業家精神、イノベーション、そしてグローバルビジネスを実体験から学ぶという点において、大きな意義を持つ訪問となりました。
■ 日本とカナダの「次世代」をつなぐ
日本カナダ商工会議所が起業家・スタートアップ支援に取り組むようになったきっかけは、2023年9月に始まった関西の起業家によるバンクーバー訪問プロジェクトでした。
その後、早稲田大学の起業・アントレプレナーシップ分野の長谷川教授によるセミナーの共催、姉妹都市である横浜市・千葉市のスタートアップ部門との連携、さらに米国アリゾナ州商工会議所との連携など、活動の幅を広げています。
今回のYouth Entrepreneur Initiativesへの協力も、その取り組みの一環です。
日本カナダ商工会議所は、単に日本からカナダへ企業や人を紹介するだけではなく、日本の若い世代がカナダのオープンな起業環境やスタートアップ・エコシステムに触れ、将来のビジネスやイノベーションにつながるきっかけをつくることを重要な役割の一つと考えています。
今回の訪問を通じて生まれた「気づき」や「問い」が、参加した学生たちの将来の挑戦につながることを期待しています。
そして、日本カナダ商工会議所はこれからも、日本とカナダの次世代の起業家・イノベーション人材をつなぐ架け橋として、双方向の交流とビジネス機会の創出に取り組んでまいります。
ご協力いただいた皆様へ
今回、貴重な学びの機会をご提供いただいたCoconama Chocolate、ChopValueの皆様に、心より御礼申し上げます。
次世代の起業家たちにとって、実際に起業家と出会い、現場を見て、直接質問することのできる経験は、何ものにも代えがたい学びとなりました。
日本カナダ商工会議所は、今後も日本とカナダの若い世代が互いの可能性を知り、新しい価値を共に創り出すための交流機会を積極的に支援してまいります。

