4/20日系センター「海活 in バンクーバー」のご報告

上段左より平野稜真、蛭川恒、小杉集治、白戸晋司、関根悠大、下段左より寺澤美紗、西薮彩良、服部彩夏(敬称略) Past Events
        上段左より平野稜真さん、蛭川恒さん、小杉集治さん、白戸晋司さん、関根悠大さん、 下段左より寺澤美紗さん、西薮彩良さん、服部彩夏さん

先週4/20に日系センターで開催された「海活 IN バンクーバー」のご報告です。

〜UBC交換留学生が贈る、最高の1日「海と文化と人をつなぐ」〜

今回UBC(ブリティッシュ・コロンビア大学)に在籍する日本からの交換留学生8名が中心となって企画した、日本とカナダの魚文化の交流イベント「海活」が日系センターで開催されました。

当日会場には満席50名の参加者を迎えて、まずは今回のイベント主催者からの挨拶と、それにつづき㈱Tsukiji Fish Market代表の疋田卓也さん、先住民漁師としてBC州で63年間漁師経験をもつWilfred Wilsonさんが、それぞれの日本とカナダの国での魚食文化、そして鮮魚水産としてのビジネスの違いについて説明を聞きました。

日本とカナダの違いは「魚の生食があるかないか?」、そして「地域で水揚げされた鮮魚は、その地域の水産市場で卸す(地消地産)が基本です」(疋田さん)

「魚は、政府のライセンス許可で漁業を行っている(海洋資源は保護するが基本である)」(Wilsonさん)またBC州ではPackerという複数の業者がいて、海で魚を獲った後は水産市場でセリをするのではなく、条件のよいPackerへゆき売り交渉をします。

また、今回の発案者・代表である平野稜真さんに開催の経緯についてお話を伺う事ができました。

筆者K「どうして、Umikatsu(海活)のイベントをしようと思ったのでしょうか?」

平野さん「自分には鮮魚のビジネス面でのスキルがなかったので、しかしUmikatsu(海活)で魚文化をテーマとした交流の場を作ることで地域へ貢献ができると思いました」と今回の動機を話してくれました。

筆者K「日本の魚文化だけでなく、カナダのファーストネーションを招いて現地の魚文化へ触れようとしたのが、とても興味深いですね?」

平野さん「留学中にカナダのファーストネーションの問題を学ぶ授業があって、鮮魚を漁る海は、いまもファーストネーションの生活文化で、また水産業の仕事としても大切な場所としているので、日本とカナダの水産や、お互いの魚の食文化を知る機会があると面白いと考えたんです」

また、平野さんの他にもイベント実行運営される留学生の方がたからもバンクーバーでの留学の経験や、イベント実現に向けていろいろご苦労されたお話を伺いました。会場で活き活きとした顔で、皆さんが活動されていたのが大変印象に残りました。

対談後には、その日のために用意された日本の刺身と先住民の魚プロダクトを楽しみ盛会のうちに終了しました。


イベントをふりかえり留学生8名の声をご紹介

平野稜真さん
「日系コミュニティに対して、若者の観点から新しいアイデアを生み出し、さらにそれを形にして表すことができたことは、社会的に価値があることだと思いますし、素直にとても嬉しいです。若さゆえに助けてもらい、許してもらった部分も多いと思います。そういった部分でまだまだ未熟さを実感しています。この経験を与えてくださった皆さんに更にいつか恩返しできるよう、今後も頑張りたいと思います。ご支援、本当にありがとうございました。」

蛭川恒さん
「海活が終わった後に振り返ると課題は山積であるものの、今後の交換留学生に向けて何かしらの足掛かりを作ることができたのは率直に嬉しいです。学生という立場で日系コミュニティの世代を超えたつながりを創出し、8ヶ月間お世話になったバンクーバーに恩返しできたのなら本望です。支えて下さった方々、誠にありがとうございました。」

小杉集治さん
「交換留学生が主体となり全世代を巻き込むプロジェクトの一員になれたことを我ながら誇りに思いました。特に、先住民の方と日系の方という2つの立場の融合は個人的に印象に残りました。まだまだ改善点はありましたが、今後このようなイベントが未来へと続いていく事を期待し楽しみに待ちたいと思います。」

白戸晋司さん
「反省点はたくさんありますが、多様な方に来ていただき、日本・カナダ・先住民が漁業を通じて互いを知るという野心的な理想を一定程度達成できたことはすごく嬉しいです!」

関根悠大さん
「大学生が主体のイベントで、生ものを提供するという貴重な経験をさせて頂き光栄でした。当日は参加者の安全面を最大限に考慮し、最後まで徹底した衛生管理を遂行することができたと感じております。特にマグロが好評で、おかわりに来てくれる方が多かったことが嬉しかったです。反省点は、温度管理を徹底しすぎたが故にマグロの解凍に想像以上に時間をかけてしまったことです。結果的に解凍が上手くいったので良かったが、解凍しきれなかった場合のことを事前に全く考えられていなかったので、次開催することがあればその辺も徹底する必要があると感じました。」

寺澤美紗さん
「ご縁のできた場所に恩返しできれば、と考えていたものの、むしろ私自身の学びの方が大きかったようにも感じます。自分たちで作り上げたものがきっかけで人の輪が広がる喜びは、忘れがたいものです。至らぬ点も多くありましたが、沢山の方にご興味を持っていただけたことや、暖かいご支援には感謝が尽きません。」

西薮彩良さん
「日本から離れたバンクーバーという地で、留学生が主体となって一からイベントを企画・開催したことは自分の中で成功体験として大切なものとなりました。学生だからできること、バンクーバーにいる日本人だからできること、を考え、私たちにしかできないイベントを開催し、多くの人に興味を持って支援して頂いたことは感謝してもし切れません。反省点は多くありますが、今後未来の留学生が行うイベントで改善出来たら良いなと思います。」

服部彩夏さん
「約2ヶ月という短い準備期間、かつ日本からの交換留学生という難しい状況の中、イベント開催という形あるものを残せたことは、意義深いものだったと感じます。英語力不足や先住民の魚文化への知識不足など至らない点も多くございました。反省点に関しましては、将来世代に向けて継承をおこなったり、あるいは自分たちの今後の成長に繋げられたらいいなと思います。イベント当日に関しましては、多様なバックグラウンドを持つ約40名にご参加いただき、大変嬉しく思います。また、パネリストと通訳のお三方をはじめとした、本イベントを支えていただいたすべての方々に感謝申し上げます。そして何より、海活プロジェクト完遂まで共に歩んできた仲間たちには、特別な敬意を表したいと思います。」

弊会議所は、若者たちが自主的な思いと行動から生まれた活動を今後とも支援してまいります。


<当日の会場の様子>


セミナー様子(動画)